【ルール】将棋の駒の動かし方やタイトルを難しい言葉を使わずまとめてみた。
今、新聞やテレビを賑わしている中学生プロ棋士藤井聡太四段。デビューからまだ公式戦で負けていません。(2017年6月現在)
追記:新記録の29連勝を達成。しかし、連勝は29でストップ。
いやーつよい。本当につよい。
将棋って面白いんです。年齢関係ない。
14歳の藤井四段のプロ最初の相手は、76歳の加藤一二三(ひふみ)九段。なんと62歳差対決でした。結果は藤井四段の勝利。なんともおもしろい。
- 藤井四段の連勝が気になる。
- 将棋のタイトルは?
- 賞金は?
- そもそも将棋って?
- 将棋のプロにはどうやってなるの?
- ルールわからん
- ひふみんって?
そんなおもしろい将棋をもっと知りたい。基本から知りたい。そんな人のために将棋について難しい言葉を使わず基本をまとめます。
先ほど出てきた加藤一二三九段はめちゃくちゃ面白いです。「ひふみん伝説」にいても書くのでぜひ読んでみてください。
【目次】
【将棋とは?】
将棋は、2人で向かいあって、駒を交互に動かし、相手の王の駒を取り合うボードゲームの一種。
駒は決まった動きしかできず(動き方は下記参照)、その限定された動きの中で、相手の王将、または玉将をどのように取るか戦術を立てるのが将棋の醍醐味。王将、玉将を取ることが出来れば勝ち。
ちなみに、プロは数百手先を考えると言われている。頭脳の格闘技と言っても過言ではない。
《将棋の最初の並べ方》
将棋盤は縦9列、横9列の81マスある。
手前三列を自分の陣地として、初めその三列(自分の陣地)に駒を以下のように並べる。
①手前から三列目に「歩兵」を端から端まで、9つ並べる。
②手前から二列目の左から二番目に「角」、右から二番目に「飛車」を並べる。
③一番手前の列に左右両方とも、「香車」「桂馬」「銀将」「金将」の順番で並べ、真ん中に「王将」または「玉将」を置く。(1人は王将で、もう一人が玉将を置く)
相手陣地にも同じように配置し、自分の20駒と相手の20駒、全40駒で将棋を行う。
《将棋の駒の読み方・動き方》
駒は種類ごとに動き方が決まっている。動く先に、自分か相手の駒があると動かせない。
・歩兵(ふひょう)
一般的に「ふ」と呼ばれる。動き方は前に一マスのみ。いわゆる雑魚キャラと思ったら大間違い。とても戦術に必要な駒になってきます。さらに成ると金将と同じ強さに!?(“成る”については後述にあり)
・香車(きょうしゃ)
動き方は、前進のみ。前進なら何マスでも進める。
前に進みまくりのいのししみたいなやつです。
・桂馬(けいま)
動き方は、画像の緑の部分に飛べる。唯一、動かすマスの途中に駒があっても飛び越えることが出来る。
こやつは特殊な駒。唯一駒を飛び越える。初心者は油断してるとこの桂馬にやられる。
・銀将(ぎんしょう)
一般的に「ぎん」と呼ばれる。前、前ななめ、後ろななめに一マス動かすことが出来る。横と後ろには動けない。
水戸黄門の格さん助さんみたいな存在。後ろや横に、相手の駒が来ると取りたいのに取れなくて悔しい思いをする。
・金将(きんしょう)
一般的に「きん」と呼ばれる。前、前ななめ、左右、後ろに一マス動かすことが出来る。後ろななめには動けない。
銀将と同じく、格さん助さんみたいな存在。こいつが王将のそばにいるとやっかい。
・角行(かくぎょう)
一般的に「かく」と呼ばれる。動き方は、ななめに何マスでも動かしてよい。
相手や自分の駒がなければ、ななめにどこまでもいける。強い。角と飛車は勝負を決める駒と言っても過言ではない。
・飛車(ひしゃ)
縦、横ならば何マスでも動かせる。ただし、縦に動かしてから同じターンに横には動かせない。
こいつは強すぎる。相手の飛車を取ったら勝った!と思ってしまうくらい。しかし、逆に飛車を取られたら泣きたくなる。
・王将(おうしょう)、玉将(ぎょくしょう)
縦、横、ななめすべて一マス動くことが出来る。王だけに、どこでもいけるが、たくさんは動きたくないっていうわがままなやつ。
《“成る”というルール》
相手の陣地(自分の方から見て、奥から三列)に入ると、駒がひっくり返しそれぞれパワーアップします。それを「成る」と言います。
どのようにパワーアップするかは以下の通り。
・歩兵、銀将、桂馬、香車
この4種類が成ると「金将」の動きになります。雑魚キャラだと思っていた歩兵も敵陣に入れば格さんに。ただし、桂馬など元々特殊な動きが出来たのに、成ってしまうとその特殊な動きが出来なくなるので注意が必要。
・飛車、角行
こいつらは元々強いのに成ったらもっと強くなります。なんと「王将」の動き+元々の動きも出来ます。飛車ならば、縦横全てに動ける+前方向に一マス動けます。つえぇぇ。これこそが鬼に金棒や。悟空がスーパーサイヤ人になったみたいなものだ。
・王将、玉将、金将
この3つは成ることはない。元々強いからよし。
“成る”の注意点
先ほども記述したとおり、相手陣地に入ると「成る」ことが出来る。
しかし、成るか成らないかは自分で決めて良い。
もし、桂馬や香車みたく特殊な動きが出来るものは、成ってしまうとその特殊能力が奪われてしまう。その場面で成るか成らないかの戦術を考えることが必要になる。一度成ってしまうと元には戻れない。
ちなみに似たような話で、悪魔の実を食べると強くなりますが、泳げなくなるのでご注意を。一度食べたら、海に一生海に嫌われる。(どうでもいい)
《持ち駒というルール》
持ち駒とは、相手の駒を取ると自分の仲間にしていいよというルール。取った駒は、将棋盤の横に置いておき、自分のターンの好きなときに出すことが出来る。ただし、いきなり敵の陣地に置くことが出来るが、そのターンは成ることは出来ない。(次のターンで成ることは出来る)
ドラクエのモンスターを仲間にする感覚に似ている。ポケモンでも、妖怪ウォッチでもよい。ちなみに、先ほども書いたが飛車を取られると本当に泣きたくなる。飛車、角はとられないように気を付けて。
《反則・禁じ手》
細かいルールがある。反則負けはしたくないので、覚えておきたい。
・二歩
同じ列に「歩」を2個置いてはいけない。置いた時点で、負けとなる。これをするとなかなか恥ずかしい。ちなみにプロでもたまに起きる。(一年に一度起きるか起きないか)片方の「歩」が成っていれば問題なし。
・待った
一度打った手は、もう変えるとは出来ない。一度打ったのに、変えてしまったらその時点で負けとなる。
・動けないところに駒を配置する。
前にしか進めない、「歩」「香車」「桂馬」を動けないところに打った時点で、負けとなる。
これらをしたら負けちゃう。覚えておこう。
【将棋のタイトル】
将棋の7大タイトル
- 名人戦
- 竜王戦
- 王将戦
- 王位戦
- 王座戦
- 棋聖戦
- 棋王戦
《現在のタイトル保持者って?》
2017年6月現在のタイトル保持者。
- 佐藤天彦名人
- 渡辺明竜王
- 郷田真隆王将
- 羽生善治王位
- 羽生善治王座
- 羽生善治棋聖
- 渡辺明棋王
タイトルを取ると、名前の後ろにタイトルが付けることができる。肩書きをゲットである。とてもかっこいい。羨ましい。
羽生善治さんや渡辺明さんのようにいくつかタイトルを保持している方は、羽生善治三冠など○冠と名乗ることが出来る。かっこ良すぎる。
《タイトルの賞金どのくらいなの?》
正式には発表されていないので、推定の賞金額を発表。
- 竜王戦 ・・・ 4200万円
- 名人戦 ・・・ 2000万円
- 王位戦 ・・・ 1000万円
- 王座戦 ・・・ 800万円
- 棋王戦 ・・・ 600万円
- 王将戦 ・・・ 300万円
- 棋聖戦 ・・・ 300万円
タイトルによって大きな差がある。竜王と名人が大きく格のあるタイトルになっていて、賞金額も大きい。竜王になれば、最低でも年収4200万、、、。羨ましい。(もちろんそれ相応の努力の結果だが)
《タイトルを取るまでの道のり》
棋聖戦
予選、挑戦者決定トーナメントにより、挑戦者を決める。そのあと、棋聖対挑戦者が五番勝負にて先に3勝したほうがタイトル獲得。
王将戦
予選、挑戦者決定トーナメントにより 、挑戦者を決める。そのあと、王将対挑戦者が七番勝負にて、先に4勝したほうがタイトル獲得。
棋王戦
予選・挑戦者決定トーナメント・敗者復活戦・挑戦者決定戦を行い、挑戦者を決める。そのあと棋王と挑戦者が五番勝負を戦い、先に3勝したほうがタイトル獲得。
王座戦
一次予選・二次予選・挑戦者決定トーナメントにて挑戦者を決定する。そのあと王座と挑戦者が王座戦五番勝負を行い、先に3勝したほうがタイトル獲得。
王位戦
予選・挑戦者決定リーグ・挑戦者決定戦によって挑戦者を決定する。そのあと7月~8月に王位と挑戦者は王位戦七番勝負を行い、先に4勝したほうがタイトル獲得。
竜王戦
独自のランキング戦と本戦によって挑戦者を決定する。そのあと竜王と挑戦者は七番勝負を行い、先に4勝したほうがタイトル獲得。
名人戦
名人戦の予選は順位戦と呼ばれ、A級順位戦の優勝者が挑戦者となる。そのあと名人と挑戦者が名人戦七番勝負を行い、先に4勝したほうがタイトル獲得。
《タイトル戦の時期・持ち時間》
王将戦
毎年1~3月。持ち時間は8時間で、2日制
棋聖戦
毎年6~7月。持ち時間は4時間で、1日制
棋王戦
毎年2月~3月。持ち時間は4時間で、1日制。
名人戦
毎年4月~6月。持ち時間は9時間で、2日制。
王位戦
毎年7月~8月。持ち時間は8時間で、2日制。
王座戦
毎年9月~10月。持ち時間5時間で、1日制。
竜王戦
毎年10月~12月。持ち時間8時間で、2日制。
《永世称号とは?》
連続でタイトルを保持したり、通算である回数タイトルを取ると、永世○○という称号を貰える。永世称号を取ることは、めちゃくちゃ難しく、一つ持っているだけで、将棋界の
レジェンドになれる。当たり前だが、一つのタイトルにつき、一人しかそのタイトルを取れない。それを連続で取ったり、何度も取ることの難しさは、将棋を知らなくても想像しやすいだろう。
《連勝中の藤井四段(14)はタイトル挑戦出来るの?》
名人戦以外は、勝ち続ければ一年目から挑戦者になれる可能性あり。実際2017年6月現在竜王挑戦者トーナメント出場を決めている。とんでもないことなのだ。
ただ名人戦だけは、勝ち続けても一年目からは挑戦出来ない。名人戦に挑戦するには、最低でも5年が必要なのです。
なぜなら、将棋にはクラスがあるのです。下から
- C級2組
- C級1組
- B級2組
- B級1組
- A級
となっており、名人戦に挑戦にするにはA級の1位になるしかないのです。
クラスを上げるには、一年間そのクラスで勝ち続け、翌年にクラスが上がります。ということは、勝ち続けても毎年一つしかクラスをあげることが出来ないのです。だから、名人戦は短くても五年かかるのです。
藤井四段が最短でも名人になる年齢は19歳となるのです。
▽囲碁のタイトルについてはコチラ
【囲碁】タイトルについて、賞金や記録、永世称号などについてまとめた。 - ととの青春
【将棋のプロになるには?】
将棋のプロになるにはどうすればいいの?藤井四段なんてまだ中学生なのに、プロとして将棋を打っている。
プロになるための簡単な説明をする。
《一番オーソドックスな方法》
奨励会入会
↓
各段位リーグを勝ち抜く
↓
最終的に三段リーグを勝ち抜く
↓
プロ棋士(四段)
このように書くと簡単なように感じてしまうが、まず奨励会に入るにはプロからの推薦が必要である。プロからの推薦を貰うためにプロに弟子入りする人が多い。
30人で構成されている三段リーグまで上がったとして、そのリーグで上位2人がプロとなれる。
三段リーグは年2回開催されるので、この方法プロになれるのは、年間4人である。ちなみに、プロになれる期限は原則26歳の誕生日までである。
アマチュアのタイトルを取って、編入試験に受かれば三段リーグに編入可能である。
もう一つ方法があるが、こちらは上記の方法よりハードルがまた一段と高い。トッププロから推薦を受け、プロと戦い、ノルマの勝ち数になればプロになれる。トッププロの推薦と、プロに勝つという超難関な試験である。
【羽生善治という男】
将棋と言えば羽生善治。羽生善治と言えば将棋。将棋を語るにこの人の存在は忘れてはいけません。羽生善治伝説をぜひ読んでみて。
伝説①史上唯一七冠を取った男
先ほどの7大タイトルを同一時期に全て手に入れた人は、長い将棋の歴史の中で、羽生善治さんしかいない。とんでもないことなのだ。ということは、七冠を付けて呼ばれたのも羽生七冠だけ。
伝説②6つの永世の称号を持つ
上記で記したとおり、永世の称号は一つ持っているだけでもレジェンドである。それを6つ持っている羽生さんは、レジェンドという言葉では足りないくらいすごい。
伝説③チェス日本で一番
チェスも日本で一番二番を争うくらい強い。
伝説④とりあえず将棋の記録のほとんどが歴代1位
とりあえず歴代1位の記録が多すぎるのです。ここはウィキペディア先生の力を借ります。
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通算タイトル獲得 - 97期
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タイトル戦登場回数 - 129回
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タイトル保持 - 26年超(1991年3月18日棋王獲得- ) ※継続中
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同一タイトル獲得 - 24期(王座:1992-2010、2012-2016年)
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同一タイトル連覇 - 19期(王座:1992-2010年)
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同一タイトル戦連続登場回数 - 25期(王座:1992年- ) ※継続中
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同一タイトル連勝 - 19連勝(王座:2004-2010年)
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同一タイトル連続ストレート獲得 - 6期(王座:2005-2010年)
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最高同時タイトル - 7冠(1996年2月14日-1996年7月30日) ※史上唯一
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最多永世称号獲得 - 7個(永世名人、永世王位、名誉王座、永世棋王、永世棋聖、永世王将、名誉NHK杯選手権者) ※史上初
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名人復位最多回数 - 3回(第61期(2003年度)、第66期(2008年度)、第72期(2014年度)) ※史上初
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A級順位戦全勝 - 9戦全勝(第70期(2011年度)) ※史上3人目[63]
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竜王戦1組通算在籍期数[64] - 27期(第3期-第4期、第6期-30期) ※継続中
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竜王戦1組連続在籍期数 - 25期(第6期-30期) ※継続中
記録がありすぎて訳分からない。とりあえず、「将棋の羽生さんスゲー よ」と言っておけば間違いない。
【将棋が分からない人も将棋が大好きになる面白い話】
将棋ってめっちゃ面白い人、面白いエピソードがたくさんあります。将棋に少し興味持った人は、ここから入ると将棋が好きになると思います。
①佐藤紳哉七段の若い頃のヅラインタビュー
佐藤紳哉七段は、ヅラである。本人も堂々と外したり、付けたりネタにしている。それの一番面白いインタビューがある。僕は将棋は相撲に近い雰囲気があると思っていたので、これは衝撃だった。
②佐藤七段のインタビューを完コピする橋本八段
先ほどの面白いインタビューをなんと天才羽生善治との一戦のインタビューで完コピで真似する橋本八段。こんな面白い人最高。
③佐藤七段と橋本八段の名人戦の解説が漫才みたいなやりとり。
先ほどの2人がなんと名人戦の解説に登場。漫才みたいなやりとりしている。固いイメージの将棋界が変わる動画だ。
④加藤一二三九段(79)の伝説
残りの公式戦が終わると引退になる加藤一二三九段。めっちゃ残念ですが、将棋界を本当に盛り上げてくれた最高の棋士です。
伝説がたくさんありすぎるので、よりすぐりの伝説を。
- 十段のタイトルを獲得したときの肩書きは、加藤一二三十段。数字にすると、加藤12310段。史上最強の段位だ。
- 一分将棋でトイレに立つ。
- 板チョコを二枚まとめて食べる
- 対局中に、ケーキを食べて、天ぷら定食を食べて、またケーキを食べる。
- エアコンのスイッチをオンオフ合戦。対戦相手が、エアコンを消したら、すぐ付けにいくひふみん。
他にも、面白い動画やエピソードがある。とりあえず加藤一二三九段と橋本八段を調べたらどんどんすごいエピソードが出てくるので、調べて欲しい。
【初心者でも将棋のことが分かるまとめ】
いかがでしたか?藤井四段で盛り上がりを見せている将棋界。すごい人、面白い人たちがたくさんいる。ぜひ、このブログで少しでも興味を持ってくれたらうれしい。
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