【Zip&Candy】ジップ&キャンディのあらすじから裏話まで。読んだらもっと楽しくなる。
Zip&Candyという絵本を知ってますか。
キングコング西野亮廣さんが書いた感動のクリスマス・ストーリー。
クリスマスのプレゼントに最高の絵本『Zip&Candy』の徹底解説をしていきます。
絵本を読んだあと、もう一回読みたくなるように、裏話をたくさん書いたブログになってます。
ぜひ絵本を読んだことない人はまずコチラから▽
キングコング 西野 公式ブログ - 【無料公開】『Zip&Candy ~ロボットたちのクリスマス~』 - Powered by LINE
読み終わって、感動したら、ぜひコチラのブログにお戻りください。素敵な裏話をコッソリと。
あらすじを簡単に知りたい方はこのままお進みください。
- 登場人物
- 簡単に分かるあらすじ
- あとがき
- 絵本の感想
- 知ると楽しいこの絵本に隠された裏話
- Zip&Candyのテーマ曲
- 西野さんがこの絵本をあげたであろう有名人
- スナックキャンディ
- 10月にえんとつ町のプペル展を開催
- まとめ
登場人物
・ジップ(最新型ロボット)
この物語の主人公。ご自慢の翼で、ビュンビュン飛び回っている。
・サンドイッチ博士
湖の向こうにある研究所の博士。クリスマスの準備に大忙し。クリスマス、、の。
・キャンディ(旧型ロボット)
サンドイッチ博士のお手伝いロボット。食事、掃除に洗濯、お留守番。
簡単に分かるあらすじ
新型ロボットの男の子ジップは、自慢の翼を広げ、今日も街の空をビュンビュン飛び回ります。
『どうだい?ボクの翼。行けないところはないんだぜ。知らないコトはないんだぜ』
そんなジップが、最近、かならず立ちよる場所があります。
それはサンドイッチ博士の研究所。
いつもジップは窓にヘバリついて、研究所の中の様子をのぞきます。
おめあては、せっせと働く旧型おてつだいロボットの女の子キャンディ。
ある日ジップは博士の留守をねらって、そっと研究所の窓を開けたのです。
『やぁ』
ジップは、勇気を振り絞り声を掛けました。
『ボクの名前はジップ。最新型ロボットさ。キミは?』
「ワタシはキャンディ。この研究所のおてつだいロボット」
そしてジップはなにも外の世界も知らないキャンディを外につれだしました。
「スゴイ!あれはなに?」
キャンディは知らないことばかり。
そんなキャンディにモノを教えるのが楽しいジップ。
翌日も、その翌日も
ジップはキャンディを外に連れ出しました。
ある日、キャンディの様子がおかしくなりました。
「キャタピラーってなに?」
「オテツダイってなに?」
壊れてしまったかもしれないと思ったジップは、正直にすべての事情をサンドイッチ博士に話しました。
「なんてことしてくれてんじゃ」
「キャンディは旧型ロボット。メモリーに記憶できる容量が少ないんじゃ。新しいデータを入れすぎてしまうと、古いデータから順に消えてしまうんじゃ」
ジップはキャンディに新しいことを教えてしまったせいで、彼女の思い出を奪ってしまったのです。
今のジップに出来ることは、彼女をあきらめること。
ジップはひとりになりました。
やがて、冬がやってきて街に雪が降り始めました。
ジップは空を飛んでいません。飛ぶ気になれなかったのです。
なにもできないまま、ジップは、キャンディとすごした日のことをただぼんやり思い返していました。
ジップは、キャンディの思い出を取り戻す方法が、思い付きません。しかし、止まっていては始まらない。
とにかく動かなきゃ。ジタバタしなきゃ。
ジップは、ふたたび研究所に行きました。ジップは、サンドイッチ博士につめよります。
『ごめんなさい、博士。また来ちゃった。ねぇ、博士。消えてしまったキャンディの記憶は、もうどうやっても戻らないのかい?』
博士は、だまったまんまです。博士もジップの気持ちがじゅうぶんすぎるほどわかっていたのです。
『このままじゃいやだよ!ボクのせいでキャンディの思い出が消えてしまったんだ。なんとかしたいと考えたけど、ボクはバカだからなにも思いつかない。ねぇ、博士。博士なら知ってるんだろ?キャンディの記憶を取り戻す方法を。教えておくれよ。お願いだよ』
ジップの心は今にもこわれてしまいそうでした。
「ひとつだけあるんじゃが」
博士は苦い表情を浮かべ、とても言いづらそうに話し始めました。
「メモリーの容量がちょうどいっぱいになったときに、キャンディのメモリーはディスクにコピーして別に保管してある。そいつに移し替えればもとにはもどる」
「古い記憶をすべて取り戻すには、コピーしてあるディスクを入れて再起動すればいい。だが、それをするとキャンディはキミのことを忘れてしまうぞ。それでもいいのかい?」
それはジップにとってツライ選択でした。しかし、ジップは迷いませんでした。
「お願いします」
キャンディにコピーディスクが入れられました。古い思い出は取り戻しましたが、キャンディはジップのことを忘れてしまいました。
「こんにちは。ハジメマシテ。ワタシはキャンディ」
ジップは本当にひとりになりました。そして、クリスマス・イブがやってきました。
その日、奇跡が、、。
つづく。
クリスマスに奇跡が起きる。ハッピーエンドで終わらすのがポリシーの西野マジックをぜひ絵本でご覧ください。
あとがき
毎度お騒がせしておりますキングコング西野です。
僕が幼稚園の頃、弟が生まれ、母は弟に付きっきりでした。
幼稚園の送り迎えをしてくれたのは、僕の婆ちゃん。
帰り道は毎日手を繋いで、時々、母には内緒で駄菓子を買ってくれました。
僕は婆ちゃんのことが大好きでした。ホントに。
婆ちゃんは晩年、アルツハイマー気味になり、病室を訪ねた僕と病院の先生の区別がつかないこともありました。
以前より小さくなった婆ちゃんを見て、「もう長くないかもな」と思いました。
もしかしたら忘れてしまうかもしれないけれど、残された日は楽しく過ごしたくて、婆ちゃんをいろんなところに連れ出しました。
妻夫木聡君とインパルス堤下君と、僕の婆ちゃんとで合コンもしました(*^^*)
アルツハイマー気味だったのですが、そんなのおかまいなしで、妻夫木君とのコンパは死ぬまで覚えていました。
堤下君のことは翌日には忘れていました。
婆ちゃんはイケメが好きなのです。
『Zip&Candy ~ロボットたちのクリスマス~』には、そんな婆ちゃんとの最後の思い出を描きました。
個人的な作品で申し訳ないですが、それでも皆様の心に届くと嬉しいです。
最後に。
今回、Web上に無料公開しましたが、紙の絵本は形やサイズ、印刷も本当にこだわって作りました。
いつか気が向いた時に手にとってもらえると嬉しいです。
家族や恋人を大切にしてあげてください。
にしのあきひろ
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絵本の感想
《王道を貫いた》
西野さんの絵本は2017年までに4冊出しています。他の3冊と比べると、絵本の王道を貫いた作品。
西野さんの作品は、主人公をなるべくかわいくしなくて、伏線をはって、はって、最後に綺麗に回収して終わる、読んでて先を予想出来ず、予想してもそれを越えてくる作品が多い。
しかし、Zip&Candyは、可愛いキャラクターが出てきて、途中悲しい出来事が起き、最後奇跡が起きてハッピーエンドで終わる。そのハッピーエンドも少し予想しやすい結末になっているが、王道を貫き、とても気持ちがスッキリする作品となっている。
《絵の細かさがスゴイ》
言わずとも西野さんの絵本のスゴイところは、絵。絵本二作目の今回も0.03ミリのボールペン一本で書き上げている。1ページ1ヶ月以上かかることもある。
▽前作の絵本の作成風景
知ると楽しいこの絵本に隠された裏話
《次回作の絵本の一部が。。》
6ページ目に出てくるノッポのオルゴールタワー。12ページに出てくるヨナヨナの森、カンパネラ。これはすべて、3作目の絵本『オルゴールワールド』の中に登場します。西野さんの絵本はすべて、繋がっています。
《ジップの翼は折りたたみ式?》
31ページ(上記の絵)のジップの翼だけ、折りたたんでいます。実はこのとき、ジップの翼より先に柵にペン入れしてしまった。見てのとおり、やり直しが利かない絵なので、『折りたたみ出来へんと不便やん?』と設定を変えることにより、乗り越えた。
《石畳が後ろのページほどガタガタ》
今回の絵本の背景は、ヨーロッパの景色を参考にしている。絵本を書いてる途中に、ヨーロッパ旅行に出掛けた西野さん。そこで、ヨーロッパの本当の石畳をみた西野さん。顔を地面に付けるくらい石畳を観察した西野さん。
そこでわかったことは、石畳は思ったより綺麗に並んでいないこと。だから、後半のページは、石畳がガタガタになっている。
▽初めの頃石畳
▽後半の石畳
《西野さんの愛用のバッグが》
西野さんが当時愛用してた grandcanyonの鞄がこのページに描かれています。鞄は上の写真。同じ鞄を探してみて。
Zip&Candyのテーマ曲
西野さんは絵本にテーマソングをつけます。もちろん、この絵本にも。その制作秘話がコチラ。西野さんの過去ブログより。
そもそも僕の本業は絵本作家ではありませんので、その道の苦労を語るのも甚だお門違いな話ではございますが、それを承知で、やはり絵本作りには苦労がついてまわるという話をば。
核となるストーリー作りに頭を抱えたり、慣れない作画にいちいち足止めをくらったり‥‥、絵本作りの苦労を挙げていけば限がありませんが、もっとも大変なのは、「完成させる」ということです。一瞬のひらめきでゴールできる類のモノではないので、アイデアがまとまった翌日から、地味な作業を延々と続けていかなければなりません。
そしてそんなじっくりコトコトな生活に慣れていない僕は、完成のその日まで集中力を維持するために自らをだましだまし盛り上げていく作戦に打って出るわけです。そんなときに気持ちをほんの少し楽にしてくれるのは作業中に流す音楽。
えらく攻撃的なロッケンローで勢いづけるときもありますし、ウクレレの調べに気持ちを落ち着かせるときもあります。トクマルシューゴさんからAKB48さんまで、ジャンルを問わず何でも聴いております。皆好きです。
そしてもっともっと盛り上げようと(あくまで自分を)、ある日、「Zip&Candyのテーマソングを作って、作業中に流そう!」と突拍子もない作戦に出ます。お察しの通り、この辺りから精神崩壊の一途を辿っておるわけです。
さっそくギター片手に「♪ジップあんどキャンディーのぉぉ~」と作業部屋にダミ声を響かせて独りテーマソング作り。こうなってくるともう誰も僕を救えません。曲が完成して間もなく、須藤さんに「作業中に流す曲をそれとなくカタチにしてください!」とワガママをこじらせた電話を入れます。
ここで「須藤さん」の紹介を少し。ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、尾崎豊さんなどを手掛けられ、今はトータス松本さんと組み『Myway Highway』というドキュメント映画を撮られた名物オジサン。人間を2、3人殺していないと採算が合わないような強面でありますが、中身はとってもピュア。夏に富山でおこなわれた原画展のプロデューサーであり、僕が舞台をやるときの音楽をいつも作ってくださっています。
そんな方ですから、近辺には音楽を作る環境が整っているわけで、そこに甘えない手はありません。事務所に遊びに行き、オジサン2人でスタジオに入り、自作の「♪ジップあんどキャンディーのぉぉ~」を弾いて聴かせ、「では須藤さん、よろしくお願いします」と相手に有無も言わさず僕はスタジオを後にするわけです。
数日後、須藤さんから「オケができましたよ。誰に歌ってもらいますか?」という電話が入り、「『Dr.インクの星空キネマ』のファンだ!」と公言してくれていた『おぢまん』というオカッパ頭の双子の女の子ユニットに依頼することに。「『おぢまん』頼んだよ」と、ここでもまた相手側の意志は聞き入れません。
こうして人様の助けだけで、僕の作業部屋だけで流れるというあまりにも自己満足な『Zip&Candy』のテーマソングが出来上がったわけです。作業部屋だけで流すのはもったいないので、パソコンでこのページを開くと勝手に流れてくるようにしてやりました。あまりにも乱暴な手順で生まれ、乱暴な聴かせかたをしている曲ではありますが、今回の絵本制作を大きく助けてくれた僕の大切な一曲であります。協力してくださった皆様、本当にありがとうございました。
西野さんがこの絵本をあげたであろう有名人
- タモリさん
- 松本零士さん
- 三谷幸喜さん
- 後藤ひろひとさん
- 山田悠介さん
- 和田竜さん
- TERUさん(GLAY)
- YOUさん
- 松本大洋さん
- 堂本剛さん
証拠↓
『Zip&Candy』を贈りたい人がたくさんいます。そもそものキッカケをくれたタモリさん。後押しをしてくださった松本零士さん。モノが完成したときぐらいしか連絡を交わさない大好きな三谷幸喜さんや後藤ひろひとマン。いつも楽しませてくださる山田悠介さんや和田竜さん。前作『Dr.インクの星空キネマ』の存在をテレビで知り、「絶対に自分で買います」というメールをくれて、わざわざご自身の足で探し回ってくださった驚異の優男GLAYのTERUさん。前作の絵本を気に入ってくれて、いろんな方に薦めてくださったYOUさん。今や僕の宝物となった、飛び上がるほど嬉しい感想の手紙(イラスト付き!)をくださった松本大洋さん。もちろんお世話になっている仕事仲間や呑み仲間。そして、阿呆の堂本家の剛とその姉。
スナックキャンディ
今西野さんは、showroom社長の前田さんと五反田にスナックキャンディというお店を作ろうとしている。
絵本の世界が再現されたお店になるということで要チェック。ちなみに、世界初スナックのファンクラブを作り、資金調達している。
10月にえんとつ町のプペル展を開催
10月5日~16日に神奈川県みなとみらいにて、えんとつ町のプペル展を開催する。
西野さんの第4作目の絵本『えんとつ町のプペル』の絵が光る。光る絵本展とも呼ばれる。
詳細
えんとつ町のプペル展inみなとみらい
◆2017.10.5(thu.)~2017.10.16(mon.)
◆11:00~19:00(最終入場 18:30)
◆会場:緑のギャラリー
〒220-0012 横浜市西区みなとみらい2-2-1 グランモール公園クロス・パティオ
みなとみらい駅すぐ。
入場無料
まとめ
いかがでしたでしょうか。西野さんは25歳のときに、これから出す絵本の内容を書き終えています。ということは、すべての絵本が繋がって、細かい仕掛けが出来るだけということです。
実際、今までの絵本にも繋がりが見えます。だからこそ、すべての絵本を読んでほしい。
他の絵本の詳細を知りたい方はコチラ。
【Dr.インクの星空キネマ】西野亮廣の処女作!天才爆発で大人も楽しめると話題作! - ととの青春
ぜひお楽しみください。